モノクロームは「本」に似ている。
文字を追ってはじめて、綴られた物語が理解できるように、モノクロームの本当の色味、味わいもまた、じっくりと"読み解かなくて"は、決してわからない。

赤い電球に照らされたの暗室で、現像液の中からぼんやりと浮かび上がる画に心奪われる。
小さな箱(カメラ)に捕まった時間が、ゆっくりと水の中に放たれていく。
白と黒。
色を失くした写真たちが、私の脳裏で色鮮やかな物語になっていく。